宿毛・沖ノ島周辺のライト泳がせで持ち帰った魚を、順番に料理していく。釣行の顛末は前編(餌集め編)と後編(ヒレナガカンパチ)、捌きと熟成の話は熟成編に書いた。
本命のヒレナガカンパチはまだ熟成中なので、刺身と頭・カマの塩焼きはまた後日。今回はそれ以外の魚――謎のカワハギと、ムロアジの残りを片づけていく。
釣った時は、正体が分からんかった

船の上で釣り上げた時は、これが何なのか分からなかった。
「ウマヅラ? ウスバ? 違うか、しかし目がデカいにゃあ。」
カワハギの仲間なのは間違いない。ただ、ウマヅラハギにしては体高があるし、ウスバハギにしては小さい。何より、やたらと目が大きい。見慣れない顔つきのゲストだった。
正体はキビレカワハギだった

持ち帰って改めて調べたら、キビレカワハギだった。名前のとおり、背ビレ・尻ビレや尾ビレの縁がくっきり黄色い。狙って釣れる魚でもなし、正体が分かると、こういう不意のゲストもちょっと愛おしくなる。
煮付けにしたら、普通のカワハギより旨いかも
カワハギといえば薄造りに肝醤油が定番。今回もそのつもりだったが、刺身は他の魚で足りている。それなら、と煮付けにすることにした。
煮汁の配合はこんな感じ。
- 酒 … 大さじ4
- みりん … 大さじ4
- 醤油 … 大さじ4
- 砂糖 … 大さじ2
- 水 … 200ml
ここで、危うく焦がすところだった。煮付けはいつも「まだもう少し、もう少し…」と煮詰めたくなる。そうやって欲を出していると、煮汁が一気に少なくなって慌てる。これが本当に多々ある。今回もギリギリのところで火を止めた。

身はブリっブリ。しっかり締まっているのに、プルプルとした弾力があって旨い。これは普通のカワハギより美味いかもしれない。
肝は、見るからにクリーミーで旨そうだった。最初は刺身にして肝醤油で…とも思ったが、刺身は他にある。今回は肝も一緒に煮付けた。当然というべきか、火を入れても肝は味が濃厚で美味い。刺身の肝醤油とはまた違う、煮込んだ肝のコクがたまらない。
ムロアジの残りは、冷蔵庫で干物に
熟成編で刺身にしたムロアジ。意外に脂があって旨かったが、まだ残っている。そのぶんは全部、開いて干物にした。
ただ、最近は雨が多くて外に干せない。そこで、仕事場の冷蔵庫の中で干すことにした。

ところが1回目は失敗気味。翌日に見てみると、下になった背中側が湿ってしまっていた。網の下から抜ける空気が足りず、水分が逃げきらなかったらしい。

そこで今度は、下と横に新聞紙を敷いて余分な水分を吸わせるようにした。これなら明日には、いい干物に仕上がるだろう。
ちなみに魚の下に敷いている黒いのは、ダイソーの猫よけマット。トゲトゲのおかげで魚と網のあいだに空気の入る隙間ができる。干物は、この隙間を作ってやるのが大事なのだ。
ただ、これでもまだ改良したい。猫よけマットの隙間だけだと、下の空気の層が薄い。干物をもう少し上に持ち上げてやりたいのだが、いい方法がいまいち思いつかない。
こういう時は、ホームセンターか100均だ。行って物色していれば、何かいい案が思いつくかもしれない。もともと、ホームセンターと100均を見て回るのは割と好きなのだ。
ムロアジはもともと干物向きの魚。伊豆のくさやの原料としても有名で、干すと青魚らしい旨味がぎゅっと凝縮される。生の刺身では「身がたっすい(頼りない)」印象でも、干せば脂と旨味がしっかり主張してくる。刺身で食べて、残りは干物。一匹を二つの顔で楽しめるのは、釣って持ち帰った者の役得だ。
【オマケ】セイメイの神経締めで、まさかの空振り

ついでに、こんな小ネタも。
その日釣ったムロアジと数少ないセイメイの中で、いちばん大きいセイメイは40cmくらいあった。せっかくだから、この一匹は神経締めもしておこうと思った。
ところが、これが上手くいかない。神経締めワイヤーを頭の方から通そうとするも、横や下に抜けてしまって神経の穴に入らない。じゃあ次は、と尾の付け根を切って神経の穴を出し、そこからワイヤーを入れようとする。これが、また入らない。
結局、この大きさのセイメイの神経締めは決まらずじまい。普段使っているワイヤーが太くて、この魚の神経穴にはうまく入らなかったようだ。
神経締めワイヤーも、魚の大きさによっては使い分けんといかんのね笑
本命のカンパチは、まだこれから
キビレカワハギの煮付けと、ムロアジの干物。まずはここまで。
主役のヒレナガカンパチは、グリーンパーチに包まれて仕事場の冷蔵庫で静かに熟成中。熟成明けの刺身と、頭・カマの塩焼きは、また改めて記事にする。
――続く。
▼この釣行の記事
前編:ライト泳がせは餌集めが9割
後編:虚無の雨の中でヒレナガカンパチ
熟成編:グリーンパーチで熟成へ/セイメイとムロアジの刺身

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