10月12日、根魚の泳がせ便に乗った日のこと。釣行記の中で「このカンコで、ちょっとした出来事があった。その話は、また後日に」と書いた。今回は、その話である。

カンコに、自分が落ちた
カンコは、船に付いている生け簀だ。船によって前にあったり後ろにあったりするが、この日の船は後ろ。泳がせの日は、釣った餌をここに入れて生かしておく。

出船してすぐのこと。船に乗ったばかりで、タックルボックスやクーラーボックスの置き場所をセッティングしていた。頭の中は「まずは落とし込みの準備を」で、いっぱいだった。
カンコを使う話は、事前に聞いていた。その蓋が開いていて、視界にも入っている。なのに、穴だと認識していなかった。頭が別のことを考えていたからだ。
そして、落ちた。
体が半分落ちて、片足が膝まで濡れた。手と足は、軽い打撲。カンコが浅かったので、それ以上は落ちなかった。ライフジャケットも着けていた。
落とし込み釣りの前に、自分を落とし込んでしまった(笑)
「大丈夫大丈夫」
一緒にいた連れ2人が、すぐに声をかけてくる。
「大丈夫かえ!?」
「大丈夫大丈夫」
「カンコ普通に見えちゅうと思ったけど?」
「うん、知っちょったはずやけどボケちょった」
そう言い返した瞬間、思い出した。去年、別の遊漁船で、海に落ちた人と乗り合わせたことがある。あの人も、船に上がってきて「大丈夫大丈夫」と言っていた。
気づけば、同じことを言っている自分がいた。
その場は、本当に大丈夫だった
実際、その場は全然大丈夫だった。多少は痛むが、釣りは普通にできる程度。そのまま、何事もなかったように釣りを続けた。
ところが、釣りが終わって帰るあたりになって、疲れと一緒に、肘と膝がもう少し痛んできた。
その後、数日後にはもう治っている。
ついでに、電動リールが止まった原因
この日は、もうひとつトラブルがあった。釣行記で書いたとおり、一番の大物の当たりで、電動リールの電源が落ちたのだ。
翌日、電源コードの差し込み口を見てみると、うっすら錆が出ていた。

電源が落ちたのは、もしかしたらこれが原因だったのかもしれない。
笑える話だが、笑えない話でもある
大したことがなかったから、こうして笑える話になった。でも、笑えない話でもある。
見えているはずの穴にも、頭が別のことでいっぱいだと気づかない。あの日の落水を思い出すと、一歩間違えれば、釣りには危険がつきものだと再認識させられる。
本当に、気をつけなければならない。遊漁船に乗るときは、ライフジャケットだけは必ず着けておきたい。

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