イカメタル21杯でリベンジ|アクション中に乗る夜、月が出てから食いが止まった

イカメタル

先週は5杯で惨敗した。同じ海に、一週間後もう一度出てきた。結果は21杯。連れが23杯で、竿頭が26杯。爆釣というほどではないが、船の全員が20杯台に乗った。数もさることながら、この日はとにかく型が良かった。

夕暮れの海と船の上に立てたイカメタルの竿
ポイントへ向かう船から。この時間の海は、何度見ても飽きない。

ベイトは15〜45m。前回といちばん違ったのはここだ

この日の船は、いつものオーシャンブルー。高知沖、水深120mからのスタートである。先週の惨敗の夜、いちばん釣っていた船が叩いていたのが120mだったと後から聞かされていたので、この数字を聞いた時点で少し期待した。

先週の惨敗のあと、自分なりに一番引っかかっていたのは潮でも月でもなく、ベイトだった。あの日は魚探が真っ赤なのに、集魚灯の下を覗いてもベイトの群れが見えなかった。イカメタルは、灯りでベイトを寄せて、それを追って浮いてくるイカを釣る釣りである。その一段目が成立していなければ、あとは何を投げても始まらない。そう書いた。

この日は、その一段目がちゃんと成立していた。ベイトの反応は15〜45m。深いところに沈んだままではなく、上の層にしっかり入っている。前回は25〜45mと70〜90mの二層に分かれて、上が真っ赤なのにイカが口を使わなかった。反応の数字だけ見れば似ているのに、結果は正反対である。違いは、そこにイカが付いてきたかどうかだ。

棚は16m〜45m。ただし、置いておけば釣れるわけではない

実際に乗ってきた棚は16mから45m。ベイトの層とほぼそのまま重なっていて、反応も一層だった。

こう書くと簡単そうに聞こえるが、実際はそう甘くない。同じ棚で連続して釣れることは少なく、乗ってくる層がコロコロ変わる。そもそも16mから45mというのは、探るとなればかなり広い。「この棚だ」と決め打ちしてスッテを置いておけば釣れる、という感じは最後までなかった。さっき1杯掛けた棚をもう一度通しても、そこにはもう何もいない。その繰り返しである。

しかも、たまにその範囲から外れる。60mまで落として当たったこともあった。上ばかりに張り付いていると、下に落ちた群れを丸ごと取り逃がす。基本は上、それでも時々は下を確認する。この「時々」を面倒がらずにやれるかどうかで、最後の数杯が変わってくるのだと思う。

当たりは、ステイ中よりアクション中に多かった

ケンサキイカは、しゃくったりアクションを入れたあと、ピタッと止めた時に当たりが出やすい。それが自分の中の基本形だ。止めている間に、あの独特の重みがスッと乗る。ふだんはそれで釣っている。

この日は、そこが違った。

乗ってくるのは動かしている最中が多い。誘っている途中でグンと来る。ケンサキらしくない乗り方なので、「これスルメか?」と勘違いすることが何度もあった。

自分の思い込みかとも思ったが、26杯で竿頭を取った連れも同じことを言っていた。アクション中によく乗った、と。

それなら、と考えた。当たりが動きの中で出るなら、ステイは短めに切り上げて、手数で広い棚を叩いたほうが効率がいいのではないか。棚がコロコロ変わって広いのだから、なおさら理にかなっている気がした。

ところが、そうはいかない。

止めを省いて速いテンポでしゃくり続けると、途端に乗らなくなる。しっかり止めてから入れたアクションでないと、当たりが出ないのだ。

それに、普通にステイさせている時にもちゃんと乗る。アクション中が多かったというだけで、止めている間は食わない、という話ではない。極端な例もあって、この日は仕掛けをお祭りさせてしまい、それを直している間の超ロングステイ——要するに放ったらかしである——その間にイカが抱いていたこともあった。

結局、ステイを疎かにしていい理由はどこにもない。止めてイカを寄せて、動かした瞬間に食わせる。この日はたまたま、後ろ半分で食ってくることが多かった、というだけの話なのだと思う。手順は同じでも、どこで食ってくるかが違うと意識の置きどころが変わる。それが分かっただけでも収穫だった。

オモリグは、今年まだ1杯も釣れていない

釣り始めのまだ食い出さない時間と、途中で当たりが止まった時間に、この日もオモリグを入れてみた。渋い時ほどオモリグが効く、とよく聞くからだ。

正直に書いておくと、今年はオモリグでまだ1杯も釣れていない。40杯釣った日も、5杯で沈んだ日も、必ず途中で入れているのに、である。ゼロだ。

イカがいないわけではない。同じ夜、同じ場所で、メタルスッテとドロッパーではちゃんと釣れている。だとすれば原因は海ではなく、自分の使い方か、タックルの組み合わせのほうにあるはずだ。とりあえず入れてみて、当たらないから戻す。毎回それを繰り返しているだけでは、いつまで経っても1杯目は来ないのだろう。

そのうち腰を据えて向き合わないといけない宿題だと思っている。

活かしカゴの中で体色を変えるケンサキイカ
活かしカゴの中。釣れた直後は、こうやって体色をせわしなく変える。

曇っているうちが、いちばん良かった

この日の月は、少し欠けてはいるが満月に近い。予報を見た時点で、正直あまりいい気はしていなかった。

ところが、始まってしばらくは空に雲がかかっていて、月がほとんど隠れていた。この時間帯が良かった。ポツポツではなく、順調に数が伸びていく。

風向きが変わったのは、雲が抜けて月が顔を出してからだ。パタッと、とまではいかないが、それまでのペースが嘘のように食わなくなった。

満月に近い月が出た夜のイカメタル船と集魚灯
帰り道に撮った月。少し欠けてはいるが、この明るさである。集魚灯はもう消してある。

先週の記事で「満月は釣れんという言い伝えは、灯り勝負の釣りでは筋が通っている気がする」と書いた。今回はそれが、同じ一晩の中で、雲というスイッチで切り替わる形で出た。曇っている間は光源が集魚灯だけになる。月が出れば海面全体がうっすら明るくなって、灯りの効きが相対的に落ちる。理屈としては、そう考えるのが自然だろう。

「月が出てきたにゃあ、ここからしんどいで」

だから月回りの日は、行くか行かないかで悩むより、曇っている時間をどれだけ稼げるかで考えたほうがいいのかもしれない。月齢だけ見て諦めていたら、この日の21杯はなかった。

数より、型が良かった

この日いちばん嬉しかったのは、実は数ではない。型である。全体的にひと回り大きく、カゴに並べた時の見栄えが違った。

カゴに並んだ型の良いケンサキイカ
この日のカゴ。小さいのが混じらず、全体的に良い型が揃った。

型が良いと、家に帰ってからの選択肢が増える。小さいイカだと皮を剥ぐのが面倒で、前回の沖漬けではエンペラを刺身に回すのを諦めて焼きにした。このサイズなら、そういう妥協をしなくていい。

外道は鯖。イカとのダブルもよくあった

この日はもう一つ、鯖がよく当たった。イカと鯖のダブル、というのも何度かあった。

鯖が掛かった時、テンションを緩めたりロッドを振ったりして、カンナから勝手に外れてくれる分にはいい。厄介なのは外れないやつで、そうなると上げて回収するしかない。しかも上げてからが外しにくい。カンナが口の奥まですっぽり入っていて、素直に抜けてくれないのだ。イカが乗っている時間を鯖の針外しに使わされるのは、正直もったいない。

そして、この日は鯖を1匹も持ち帰らなかった。大して大きくない鯖は脂が乗っていないし、何よりイカがいる。周りを見ても、鯖を持ち帰っている人は誰もいなかった。

持ち帰ったのは、ウルメが1匹だけである。

当たったのは、この4本

この日実際に投入したのが、これだけある。

この日使ったメタルスッテとドロッパーを洗って並べたトレイ
この日使ったメタルスッテとドロッパー。帰ってから洗ってまとめたもので、持ち込んだ数はこの3〜4倍ある。

これで全部ではない。持ち込んだ数はこの3〜4倍あって、その中から当たりを探しながら入れ替えていく。結局のところ、数を持っている強みはこういうところに出る。
そして実際に仕事をしたのが、この4本である。

この日当たったメタルスッテ2本とドロッパー2本
左から、グラマラスッテ、ナカジマのメタルエギ ブラックメタレッド、ホネホネグロー、ディープレッド。

メタルスッテは2本。ひとつはグラマラスッテで、これがなかなか手に入らない品薄のやつだ。もうひとつはナカジマのメタルエギ、ブラックメタレッド。名前のとおりエギの形をしたメタルで、黒地に赤いラメが入っている。

ドロッパーはがまかつのスピードメタルFを2種類。最近買ったホネホネグローと、ディープレッドである。

このディープレッドは、先週の惨敗の夜にも2杯を持ってきている。派手系が全滅して船中が沈黙した日にも仕事をして、こうして数の出る日にも当たる。買った当時は「たまには単色も」くらいの軽い気持ちだったのだが、すっかり先発に定着してしまった。

▼今回も当たったスピードメタル エギドロッパー
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3人とも、当たりカラーがバラバラだった

面白かったのはここからだ。同じ船で、同じ時間、同じ棚を叩いている。それなのに当たりカラーが三者三様だった。

23杯の連れは、同じスピードメタルFでもBHライトブルー。26杯で竿頭を取った連れは、有名どころによく似た、メーカー名の分からないクリアブルー系だった。

それを聞いて、自分もクリアブルーっぽいのを引っ張り出して使ってみた。さっぱりダメだった(笑)

同じ船で、同じ棚を釣って、これである。カラーの正解はその日一つに決まる、と思い込んでいたが、どうもそう単純でもないらしい。誘い方やタナの取り方、竿の角度まで含めて、その人の釣り方とセットで初めて「当たり」になるのだろう。

だから、隣が釣れているカラーをそのまま真似しても、そのまま結果が付いてくるとは限らない。真似すべきは色そのものより、その色が効いている棚と誘いのほうなのかもしれない。このあたりは、まだ答えが出ていない。

潮とベイトが揃えば、ちゃんと釣れる

先週は5杯、今週は21杯。腕が一週間で上がったわけがないので、差は海の側にあったということになる。潮が落ち着いて、ベイトが浅い層に入って、月が雲で隠れている時間があった。条件さえ揃えば、いつもと同じ自作の仕掛けでちゃんと釣れる。

ただし、条件が揃ったからといって、いつもと同じ釣り方で釣れるわけでもなかった。棚は動き続けるし、当たりの出るタイミングもふだんとは違った。結局その日その日で、探り直すしかないらしい。

それが分かっただけでも、行った甲斐があった夜だった。40杯には届かなかったが、型が良かったぶん、クーラーの重さは悪くない。

さて、この型の良いイカをどう食おうか。前回は麺つゆで沖漬けを作って、ゲソと肝は絶品、身には味が入りきらないという結果だった。今度こそ専用のタレを買って、麺つゆと比べてみたいと思っている。その話は、また別の記事で。

次は11日、愛媛の愛南町まで遠征の予定だ。あとは台風が日本列島を逸れて、そのまま大陸のほうへ抜けてくれるのを祈るばかりである。

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この記事を書いた人
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高知在住。高知県内を中心に釣りや潮干狩りを楽しみ、時には隣県へも遠征。旬の釣りを満喫しながら、釣れた魚・採れた貝を使って適当に・簡単に・まったりと料理するのがモットー。

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