釣りの道具の話ではなく、釣りに行く足の話である。
3年前、1年待ってようやく納車されたヴォクシーのサイドバイザーが、取り付けて1週間で高速道路に吹っ飛んでいった。

納車の翌日に、自分で取り付けた
納車は2023年7月15日。1年待ってやっと来た車である。
サイドバイザーは新車を買う時に付けるかどうか迷う定番の装備だが、ディーラーの純正品はそれなりの値段がする。調べてみると、社外品なら純正のおよそ半額で買えることが分かった。同じような形で、値段が半分。それなら自分で付ければいい、という話になる。
取り付けたのは納車の翌日、7月16日だ。貼り付け面の脱脂もきちんとやった。両面テープで貼るものだから、そこを手抜きすると持たないことは分かっていたつもりだった。
ちなみにこの時、ディーラーには「ワックスのような物は不要」とあらかじめ言っておいたので、バイザーを先に付けてから、ボディに自分でガラスコーティングをかけている。
高速道路で、バンと鳴った
それから1週間後。家族で県外に出かけた行きがけ中のことだった。
高速道路を走っていると、突然バン!と大きな音がした。
何かが当たったのか、飛んできたのか。音は確かに聞こえたのに、走っている最中は何が起きたのか分からない。ミラーで見える範囲におかしなところもない。とりあえずそのまま走った。
発覚したのは、高速を降りてからである。
後部座席の右側、バイザーが半分から先だけ、きれいになくなっていた。

残っていた半分は、手で引いたらあっさり外れた。取り付けから1週間、脱脂もした面が、である。
嫌な予感がして他のバイザーも確認してみると、こちらも両面テープが浮きかけていた。指をかければ外れそうな状態だった。つまり、たまたま1枚が割れたのではなく、全部が同じ道をたどりかけていたということになる。
そうなると、帰りの高速がもう怖い。もう1枚飛んでいったら、今度こそ後ろの車に迷惑がかかる。
というわけで、その場で残りの3枚も外した。出先の駐車場である。これがまた、どれも手で引いただけで簡単に外れた。付けて1週間の新品が、である。
ちなみにサイドバイザーは、両面テープだけで留まっているわけではない。窓枠に引っ掛ける金具も付いている。ただ、あれはたぶん走行中のビビり止め程度のものだ。肝心のテープが負けてしまえば、大した支えにはならないのだと思う。
1年待った新車で家族と出かけた初日に、買ったばかりのバイザーを全部剥がして車に積み込む。なかなかの絵面だった。
その日は外が34度あった。暑さでテープがふやけたのかとも考えたが、真夏に34度になるのは当たり前である。それで剥がれるようなら、そもそも車の外装用として成り立たない。やはりテープの品質だろうと思った。
星1のレビューを書いた
腹が立ったので、購入したショップに写真を送り、レビューも星1で書いた。「両面テープの粘着が弱い」と。
今回この記事を書くにあたって写真を探したら、手元の画像はスマホの容量整理で消してしまっていた。ところが3年前に投稿したレビューが残っていて、そこに貼り付けた画像が生きていた。この記事の写真は、そこから引っ張り出したものである。
腹立ちまぎれに書いたレビューが、3年後に資料になるとは思わなかった。
買い直したら、3年間なんともない
懲りずに、次も社外品を買った。ただし選び方は変えた。
商品説明に「両面テープは国産品」と明記されているものを選んだのである。3Mをはじめ、テープそのものの銘柄を書いている商品がある。逆に言えば、書いていない商品はそこにコストをかけていない可能性がある。
結果はどうか。取り付けから3年、何の問題も起きていない。同じように自分で貼って、同じように夏を3回越えて、今も普通に付いている。
サイドバイザーは、形もスモークの濃さもたいして変わらない。違いが出るのは、見た目ではなく裏の両面テープのほうだった。選ぶならそこを見る。それが3年かけて出た結論である。
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結局、純正が買えていた
最後に、いちばん間抜けな話を書いておく。
純正の半額に釣られて社外品を買った。それが1週間で割れて、もう一度社外品を買い直した。
社外品を2回買った合計は、純正品の値段とほぼ同じである。
最初から純正を付けていれば、1週間で吹っ飛ぶこともなかったし、高速道路でバンと鳴って肝を冷やすこともなかった。安いほうを選んだつもりが、同じ金額を払って、余計な思いだけしたことになる。
もっとも、そのおかげで「バイザーは両面テープで選ぶ」という知識だけは手に入った。授業料としては、まあ高くはなかったと思っておく。
もっとも、この車で高速道路の肝を冷やしたのは、これが最初ではない。同じヴォクシーでガス欠寸前のまま走り続けた夜もある。正直、寿命が縮んだのはあちらのほうだ。どちらも原因は、自分の見通しの甘さである。
なお、高速道路に飛んでいったバイザーの半分が、その後どうなったのかは分からない。後続車に当たっていなかったことを、今でも願っている。

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